[2025.04.21] 代表取締役西田よりシーズン終了のご報告と来シーズンに向けての意向表明
はじめに、クラブ史上ワーストの勝率でのシーズン終了となりましたこと、クラブの代表として心からお詫び申し上げます。
1年前、PO出場を逃し須賀川の地で「来シーズンこそ」と決意表明をさせていただいたにも関わらずこのような結果となり、苦しい中でもずっとチームをお支えいただいている皆様に申し訳が立ちません。この最終結果の責任はクラブの代表である私にあり、親会社である株式会社識学の厳正な評価制度に則って然るべき査定を受ける所存です。
今シーズンのチームについて簡単に振り返りをさせていただきます。
最終戦績は15勝45敗、勝率’250でございました。6連敗、9連敗、7連敗、6連敗と4度の長期連敗を喫し、大きな落胆を与えてしまいました。今シーズンはシーズンを通して負傷者の多さに苦しむことになりました。ベンチ登録上限12名を充足できた試合は60試合中18試合で全体の30%でした。そのうち7試合は外国籍選手(アジア特別枠含む)4枠を充足できていなかったため、実際に外国籍選手を含めてフルロスターと言えた試合は11試合(18%)となりました。
通期での外国籍選手のベンチエントリー充足率は80%で、60試合中36試合は外国籍選手を1人以上欠く布陣での戦いとなりました。
12名をエントリーできたとしてもチーム内に全く負傷者がいない時期というのはシーズン中にはほぼ無く、常に誰かを欠いた状態となってしまいました。負傷の種類としては、試合中の骨折、捻挫、脳震盪、筋挫傷など多岐にわたりました。怪我が発生することは当然想定をしなければならず、負傷した際のリコンディショニングについてはチームドクター、トレーナーを中心に迅速に対応してくれたと思っていますが、結果としてストレングス・メディカル体制の強化は次シーズンに向けて必須であると受け止めております。また、負傷離脱については短期契約での補填(エチェニケ選手)や追加選手(相馬選手・佐藤選手)との契約を進めましたが、外国籍選手の離脱期間が長期化し、最終的にはウデゼ選手との契約に至ったものの、外国籍選手を欠いた状態での試合が多くなってしまったことに強く責任を感じております。
次に主だったスタッツのご報告です。(4月20日時点)
得点ランキングは14チーム中13位、失点ランキング10位となり、当初掲げていたディフェンスを軸にしたバスケットボールで勝利を掴むことはできませんでした。シュートの成否はどうしても確率が発生しますが、チームディフェンスについては再現性高く自分たちでコントロールできるためシーズンを通してこだわって取り組んできたところです。しかし数字からも明確な強みとして証明することはできなかったと思います。ターンオーバー数(相手にボールを奪われた数)も1試合平均14.9回、全体で13位となり、パスの回数が多いスタイルとはいえ、思うようなゲーム運びができなかったことを示しています。フリースロー成功率は68.7%で全体の11位、上位チームが72%~74%の成功率であることを考えると、ひとつひとつのシュートへのこだわりと精度が不足していたと認めなければなりません。一方でアシスト数は1試合平均で20回を超え(全体の5位)、ボールを動かし、どこからでも点が獲れるチームコンセプトは実現できた試合もあったと感じています。
総じて、負傷者が多い中で当初思い描いたゲームプランを実現することができず、幾度のマイナーチェンジを重ねることを余儀なくされ、チームとしての形が固まってきたところでまた新たな負傷者が出て修正をするということを繰り返さざるを得ず、シーズン通してのチーム力の積み上げが計画的にできなかったシーズンでありました。そんな中でも最後まで力を尽くしてくれた現場のスタッフ、選手には感謝の念に堪えません。
4月12日に迎えた宝来屋ボンズアリーナのリニューアルオープンについて触れさせていただきます。大規模改修の当プロジェクトは私が認識している範囲でも約5年以上前に動き出し、当時の郡山市の行政関係者の皆様と度重なる協議を重ねてきました。そして諸々の調査やサウンディングなどを経て公募され、約半年間の準備期間と約1年間の工事期間を終えこの日を迎えました。ここに至るまでに、数えきれないほどの関係者の皆様にご理解とご協力をいただきました。共にプロジェクトを進めていただいた郡山市のスポーツ振興課の皆様や行政関係者の皆様、コンソーシアムの皆様、ご支援いただいたパートナー企業、スポンサーの皆様、この日を待ち共に全国・県内各所の会場まで駆けつけ応援いただいたブースターの皆様、福島の成長を信じ支えていただいたリーグ関係者の皆様、当日の素晴らしい空間をつくっていただいた演出・設営スタッフの皆さん、短期間での空間演出に対応し会場を盛り上げてくれたレイグリッターズのメンバーたち、運営をサポートいただいたボランティアスタッフの皆様、この日に向けて同じベクトルで駆け抜けてくれたフロントスタッフ、そして関わっていただいた全ての方に心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
ボンズのメンバーたちは2日間で9,000名を超える大歓声に背中を押していただき、最後まで死力を尽くして戦ってくれたと思います。勝負どころのアリーナの一体感は、どの地域で感じたものにも引けをとらない熱狂空間であったと感じています。ブースターの皆様と共に、「誇れる福島をつくる」というクラブのミッションに一歩近づけた瞬間であったかもしれません。今後も、市の体育施設であるという前提を忘れずに、市民の皆様と共生しながらプロスポーツの力で地域の発展に寄与し続けていきたいと考えております。全国各地に新しいアリーナが誕生している中で、改修型のアリーナで地域と共にクラブが発展していく地域密着クラブの好事例となれるように、施設に恥じないクラブ運営をしていく所存です。
また、改修工事が終わるまでの2シーズン、ホームゲーム会場として利用させていただきました須賀川市、福島市、会津若松市、田村市、いわき市(開催試合数順)の行政関係者の皆様や地域の皆様にも改めて御礼申し上げます。今後、B.LEAGUEのライセンス基準の兼ね合いで公式戦の開催は限られてくると思いますが、引き続き小中学校を中心とした各地域でのアクションは継続させていただきたいと考えております。そしてプレーシーズンでは楢葉町、3X3イベントでは白河市、その他地域イベントも含め引き続き県内広域での活動を予定しております。今後ともよろしくお願いいたします。
B.LEAGUEは2026-27シーズンから”B.革新”をスタートさせ、B.PREMIER、B.ONE、B.NEXTの3部構成と移り変わり、勝敗による昇降格がなくなります。福島ファイヤーボンズはB.ONEの舞台でリスタートを切り、2029-30シーズンからはB.PREMIERに参入することを表明いたしました。2期連続で売上規模、入場者数を達成し、アリーナ基準を充足することでライセンスが認められます。アリーナ改修を終えた今、クラブとしてはじめてその挑戦権を得られた形です。参入の目的は以前記者会見でご説明差し上げましたが、福島のシンボルとなり、地域を永続させるために尽力していく所存です。
関連リンク:B.PREMIERへ向けた所信表明 (記者会見実施報)
そんなボンズの理想像を目指し、これまでもクラブとして歩みを進めてまいりましたが、本物のシンボルと認めていただく存在になるには、地域から応援される強くて魅力的なチームづくりが必要不可欠であると考えます。今シーズンのような結果が続くようではその実現は難しく、次の2025-26シーズンからB.革新開幕後の3シーズン、そして2029-30のB.PREMIER参入初年度までを見据え、チームを5ヵ年計画でつくり直し、成長を積み重ねていきたいと思います。フロント組織は中期経営計画を描いて動かしておりますが、チーム組織ではこれまでB1昇格という目先の目標を達成しなければならない思いが強く、中長期の視点を明確に持ち強化を積み上げることができませんでした。若い選手を育成してもB1の舞台に送り出すということも多く、計画性を持つことが難しかった背景もあります。これからはB.PREMIER参入を明確に打ち出したことで、「共にプレミアに上がる」という思いを共感した選手やスタッフのリクルーティングができるようになり、それはチームの成長にとってとても大きな意味を持ちます。
そんな環境の変化の中で中長期のチーム改革を実現するために2025-26シーズンからの新GMとして渡邉拓馬氏を招聘いたしました。
関連リンク:【新規】B.LEAGUE 2025-26シーズン チームスタッフ契約締結(渡邉拓馬氏)のお知らせ
今シーズンGMを務めていただいた山根GMには苦しいチーム状況の中で最後までチームをサポートいただき感謝しかありません。合流時期が遅かったため冒頭に申し上げた通り、編成責任を含めたシーズンの最終責任は代表の私にあり、山根GMは最後まで力を尽くしていただきました。選手やスタッフたちからも信頼される人間性で、チームをまとめ続けていただいたことに心から御礼申し上げます。
関連リンク:山根 謙二ゼネラルマネージャー契約終了のお知らせ
渡邉拓馬氏は言わずと知れた福島バスケ界の第一人者であり、プレイヤーとしての実績と経験はもちろん、所属クラブでもチームの改革と強化の実績を積まれています。私がチームをどのように立て直すべきかを苦慮していた時に、B.PREMIERへの参入表明とクラブのビジョンに共感いただき、故郷で力を尽くすことを決めていただきました。これからは経営と強化の両輪をしっかりと計画的に回し、「GO PREMIER」を実現できた時に、日本を代表するクラブの仲間入りができるように成長させていく所存です。チームの改革には痛みを伴いますし、うまくいくことばかりではありません。それでも数年後にボンズが目的地にたどり着くために必要な判断を強い覚悟をもって進めてまいります。新チームの編成につきましてはすでに渡邉氏と協議をしておりますので、順次クラブ公式よりお知らせしてまいります。
結びに、今シーズン皆様からいただきました福島ファイヤーボンズへの全てのご支援とご声援に感謝申し上げ、私からのご報告とご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。引き続き福島ファイヤーボンズをよろしくお願いいたします。
